前回は、フレイル「虚弱」を予防するお食事についてお話をしました。今回は、日々のお食事を摂る上で、まず意識したいエネルギーについてお話を進めていきます。

【管理栄養士】 横原夢見

1日に必要なエネルギー量とは?

皆さん、ご自身が1日に摂取しているエネルギーはご存知でしょうか?

お弁当などの調理済み食品を摂取する場合には、栄養量が表示してあることが多いため、確認しやすいかもしれませんね。

ご自身で料理をされている方は把握するのがなかなか難しいのかもしれません。

ところで、皆さんが1日に必要なエネルギーとはどのくらいなのでしょうか?日本人の食事摂取基準2020年版によると、65歳以上の男性の場合1800~2750kcal、女性の場合1400~2100kcalです。

ただし、普通の生活の中でどのくらい活動しているのか、栄養素の消化や吸収に関わる能力の違い、体質、基礎疾患など、人によって異なりますね。したがって、同じエネルギー量を摂取しても、体重の増減、維持に与える影響は個人間でかなりの差が生じるのが現状です。

エネルギーの効率の良い補給方法

十分なエネルギーを確保するにあたり、効率の良い取り方を知っておくというのは重要です。ここでは、エネルギー源の大きな柱となるタンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー量について見てみましょう。

項目1gあたりのエネルギー量
アミノ酸組織によるたんぱく質4.0kcal
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量9.0kcal
利用可能炭水化物(単糖当量)3.75kcal
糖アルコール、食物繊維総量、有機酸、アルコールについては除外しています。

表中の数値を見てみると、脂質によるエネルギー量が一番多いことがお分かりになると思います。

ついさっぱりした 味付けの料理を選びがち、油っぽいものを敬遠しがちという方は、食事量自体に変化はなくとも、調理法の変化によって、摂取するエネルギー量が以前よりも減ってきている可能性もあります。

乳化した油脂(乳製品やマヨネーズ、バターなど)であれば、比較的胃もたれも起こしづらいため、料理に加えてみるのはおすすめです。

また、1日3回で必要なエネルギーが摂り切れないという場合には、間食として、小さめのおにぎりやパン、乳製品などを摂るのも良いかもしれませんね。

次回は、どのような食事がバランスの良い食事と言えるのか、食事を摂る際に気を付けたい事などについてお話をします。


この記事は、宅配クック123の会報誌「あはは」で、専門家(管理栄養士)の視点から「栄養」について書いていただいている物です。

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