汗ばむ季節となってきました。体調を崩されていませんか?今回は、汗をかくことが多い季節に起こりやすい、脱水についてお話します。

【管理栄養士】横原 夢見

熱中症・脱水はなぜ起こる?

まずは、身体に取り込まれる水分と出ていく水分について考えてみましょう。

IN(イン)   : 食事や飲み物1300㎖、代謝水300㎖
OUT(アウト) : 尿600㎖、便100㎖、不感蒸泄900㎖

※代謝水 :栄養素が体内で燃焼される時にできる水
※不感蒸泄:呼吸の際に出ていく水分と、皮膚から蒸発する水分

このように、取り込まれる水分と出ていく水分が均衡している場合、特に問題はありません。しかし、暑くて食欲が無い、体調を崩して食事量が減ったなどにより、摂取する水分量が減少する、もしくは呼気や皮膚などから蒸発、汗などとして出ていく不感蒸泄の量が増加した、下痢・嘔吐などによって、水分量のバランスがマイナスに傾き、「脱水」を起こす可能性があります。

脱水になると体内の水分の循環が正常に行われなくなる、体温調節ができなくなるなど様々な現象が起こります。脱水になる理由は、上記以外にも、飲み込みが難しい、認知症や寝たきり、口渇感の低下など、シニア世代特有のリスクが存在します。

脱水予防のために

脱水を予防するためには、まずご自身が1日に必要な水分量を把握することが重要です。様々な計算方法はありますが、「体重1kg あたり25㎖」を目安にしてみてください 。

体重50㎏の方の場合、「50×25=1250㎖」が1日に必要な水分量となります。しかし、この数値には個人差や季節感の差もあります。尿量などを確認しながら調節してみてください。

また、水分は喉が乾いたら飲むではなく、喉が乾く前に飲むようにしましょう。例えば、「3回の食事」に加え、「起床後」「午前」「午後」「就寝前」の4回それぞれ150㎖摂取すると1日で1050㎖摂取することができます。

ここで皆さんに覚えておいていただきたいのは、水分は飲料物から摂取するものだけではないということです。食欲減退などにより食事量が半減すると、その分食事から摂取できていた水分量も減少するということです。一時的な食欲減退の場合、「お粥」や「汁物」「ゼリー」「プリン」「ヨーグルト」など、口当たりの良いものを選んでみてはいかがでしょうか。また、予防的に「経口補水液」を準備しておいても良いかもしれません。

脱水は、「身体機能の低下」や「認知機能の低下」「低栄養」「その他の疾患」を引き起こす可能性があります。自宅内では普段から空調機器などを利用して快適な室温を維持するなど、本格的な暑さの前に、暮らし全体の見直しをしてみましょう。

次回は夏バテで食欲がなくなってしまった時でも低栄養を防ぐことができる食事についてお話をします。


この記事は、宅配クック123の会報誌「あはは」で、専門家(管理栄養士)の視点から「栄養」について書いていただいているモノです。

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