最近、そういえば何となく以前よりも食べる量が減ってきた、そんなシニア世代に気をつけていただきたい「タンパク質」の摂取についてお話しします。

【管理栄養士】横原 夢見

たんぱく質の働きとは?

タンパク質は他の栄養素から体内で合成することができないため、必ず摂取しなければならない栄養素の一つです。

食事として体の中に取り込まれたタンパク質は、大きさの小さい「ペプチド」や「アミノ酸」などに一度分解された後、筋肉や血液など、身体を構成する成分として再び合成されます。

その他にも、アミノ酸は、免疫機能や神経の伝達物質、ビタミンなどの合成に関与しています。

習慣的なタンパク質の摂取不足は、シニア世代では、「フレイル」「サルコペニア」などの疾患、転倒の発生に大きく関わってきます。タンパク質の摂取量増加が「フレイル」の発症率を下げると予想する研究結果もあります。

また、シニア世代では、若年及び中年成人と比較して、筋肉でのタンパク質合成を促すために、より多くのタンパク質摂取が必要になるとも言われています。

つまり、今までと同じ量のたんぱく質を摂取していたのでは、加齢によって体内での合成能力が低下しているがために、以前よりも多くタンパク質を摂取しないと不足してしまう可能性があるということです。盲点だった方もいるかもしれませんね。

たんぱく質の摂取目標量はどれくらい?

それでは、1日にどれくらいのタンパク質を食事から摂れば「フレイル」「サルコペニア」が予防できるのでしょうか。

一食あたりの目安は、指を含めない手のひらに乗るくらいの「肉」や「魚」、「卵」「大豆製品」です。1食で1日分のタンパク質をまとめて摂取しても身体に必要な量は吸収しきれません。1日に必要なたんぱく質量は、3食に分けて取る必要があります。

一方で、慢性腎臓病や、腎機能低下が見られる方は、タンパク質の過剰摂取によって腎機能をさらに悪化させてしまう可能性があります。

また、何かしらの原因により、タンパク質の消化・吸収能が低下している場合にも、タンパク質の摂取には気をつける必要がありますので、主治医の先生などに確認してみてください。

次回は、気温が上昇し、熱くなってくると注意が必要な「夏バテ」「脱水症」の予防についてお話しします。


この記事は、宅配クック123の会報誌「あはは」で、専門家(管理栄養士)の視点から「栄養」について書いていただいているモノです。

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