今回は、夏バテや風邪など、体調を崩したことをきっかけに低栄養が一気に進んでしまうリスクや食欲がない時でも食べやすいものについてお話しします。

【管理栄養士】横原 夢見

食欲不振になる原因

年齢を重ねることによる食欲低下には、加齢に伴う変化や生活環境によるもの、要介護状態になった、慢性的な疾患など、様々な要因が考えられます。夏場の暑い気候によっても夏バテを起こした、体調を崩した、歯の具合が悪いなどによっても食欲がなくなる可能性があります。

少し食欲がないだけと侮るのは危険です。と言いますのも、シニア世代の方が一度食欲不振を起こすと、そのまま「フレイル」や「サルコペニア」、「栄養障害」を引き起こす可能性があります。そのため、少し前まで元気だった方が要介護状態になる、入院してそのまま自宅に帰ることが難しくなるというケースは少なくありません。早い段階で対応して気をつけたいものです。

食欲がない時でも食べやすい食事

食欲がない原因によっても対応は様々なため、以下を参考に色々試してみてください。

夏バテで食欲がない

原因:「そうめん」ばかりなど、食品の偏りにより栄養素(一般的にビタミン B 群)の不足が起こり、だるさを感じているかもしれません。

対策:ビタミン B 群を多く含む「豚肉」などの「たんぱく質」がおすすめです。硬くて食べづらいという場合は「ひき肉」だと食べやすいですね。

また、「酢」や「梅干し」、「レモン」などで味付けすると暑い時期でもさっぱり食べやすいかもしれません。ただし、むせやすい方はご注意ください。

なんとなく食欲がない、体調を崩して食欲がない

対策:「ひき肉」や「シーチキン」、「卵」や「野菜」などの「具沢山スープ」、また、スープの中に「ご飯」や「麺類」を加えて1品でも複数の食品と栄養素が補給できる料理はいかがですか。暑くて飲む気がしないという場合は、冷製スープにしてみるとスッキリ飲みやすいかもしれません。

普通の食事は喉を通らないと言う場合は、「果物」や「ゼリー」「プリン」「アイスクリーム」「ヨーグルト」など、口当たりがよく少くなくとも「水分」と「糖質」が摂取できるものを選びましょう。

食欲が戻ってきたら「卵入りのお粥」など、通常の食事に戻してください。口当たりの良いものだけで長期間過ごしてしまうと、その間に「低栄養」になってしまうリスクがあるので注意が必要です。

また、そもそも水分不足で脱水気味であるがために食欲が低下してる可能性もあるので、「スポーツ飲料」や「経口補水液」などを適宜利用して様子を見てみましょう。

調理をするのは大変だから食べないという方もいるかもしれません。全て一から調理する必要はありません。半調理品や調理済み品冷凍食品などを上手に利用して、まずは食べるということを重視してください。

食欲不振が長期続くと、栄養バランスの乱れから、「筋力低下・転倒・骨折・寝たきり」になる可能性もあります。次回は「寝たきり防止対策」についてお話しします。


この記事は、宅配クック123の会報誌「あはは」で、専門家(管理栄養士)の視点から「栄養」について書いていただいているモノです。

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