家族が少しずつ普通食から介護食への切り替えの時期にさしかかってきているため、これを機会に自分のスキルアップのためにも介護食についての資格を取得しておきたいと考えている人はいませんか?

この記事では介護食の資格を取得する方法から、それぞれの専門性の違いまで詳しく解説します。

介護食の資格について

高齢者は加齢とともに噛む力や飲み込む力が低下するため、通常食では食べづらさを感じるようになりますが、その食べづらさを解消し高齢者の食事におけるQOLを維持することを目的として作られるのが介護食です。

しかし介護食は栄養面だけではなく、一人一人の体調や好みに配慮して作る必要があるため、資格を取得することで専門知識を活かし、同時に介護食におけるさまざまな課題を解決するのが望ましいと言えるでしょう。

介護食の資格を取得したいと考えている人におすすめの資格を、取得方法や専門性の違いも含めて7つご紹介します。

管理栄養士

管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、高齢者で通常食の摂取が難しくなっている人だけではなく、病気の人、健康な人など一人一人に合わせた食事の栄養指導、給食管理、栄養管理などを行うことのできる資格です。

管理栄養士は介護食専門の資格ではなく、栄養管理の対象が高齢者だけではないのが特徴的だと言えるでしょう。

資格取得後に福祉の現場で仕事をする場合は、福祉施設などに勤務し一人一人の生活状態や身体の状態に応じた食事の提供と栄養管理を行います。

具体的には介護食の食形態の決定、食事の摂取状況と体重の変動の観察、行事食の提供などをすることが多いでしょう。

栄養についての幅広い知識を活用し、福祉の現場で栄養管理と介護食作りに携わりたい人におすすめです。

<基本情報>

資格の種類資格取得方法養成校
管理栄養士・管理栄養士養成施設で学び栄養士の資格を取得後、管理栄養士国家試験を受験して厚生労働大臣の免許を受ける・137校
栄養士・栄養士養成施設で学び卒業して都道府県知事の免許を受ける・138校

《資格取得後に働ける職場》

  • 医療の現場
  • 学校給食の現場
  • スポーツの現場
  • 社員食堂・学校食堂の現場
  • 行政の現場
  • 地域活動の現場
  • 福祉(高齢者・障がい者)の現場
  • 福祉(児童)の現場
  • 研究・教育機関の現場

参考:一般社団法人日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは?」

介護食士

介護食士は内閣総理大臣認定・公益社団法人全国調理職業訓練協会が、介護に携わる方たちの調理技術を向上させる目的で設けた民間資格です。

要介護者向けの食事が提供できるようになることを目指し、3級でも講習時間が72時間と内容が濃いため、介護食についての知識と料理技術を両方向上させることができるでしょう。

調理実習では実際に介護食を調理している講師に教えてもらえるため、介護食の作り方について実践的に学ぶことができます。

福祉の現場で高い調理技術を活かし、日々の介護食作りに携わりたい人におすすめです。

<基本情報>

資格の種類受講資格講習内容養成校資格取得方法
1級介護食士2級を取得した後、2年以上介護食調理の実務に従事した25歳以上の人・学科(32時間)
医学的基礎知識、高齢者にかかわる制度、栄養学、食品学、食品衛生学
・実習(40時間)
調理理論、調理実習
3校講習後修了試験を受験して合格すると取得できる
2級介護食士3級を取得した人・学科(16時間)
医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
・実習(56時間)
調理理論、調理実習
16校講習後修了試験を受験して合格すると取得できる
3級不要・学科(25時間)
介護食士概論、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
・実習(47時間)
調理理論・調理実習Ⅰ、調理理論・調理実習Ⅱ
・(一般の人を対象)33校
・(学生を対象)40校
講習後修了試験を受験して合格すると取得できる

参考:公益社団法人全国調理職業訓練協会「介護食士」

介護食アドバイザー

介護食アドバイザーは一般社団法人日本能力開発推進協会が高齢者の心理、病気、栄養学において正しい食の基礎知識を持つ介護食のスペシャリストを育成するのを目的として設けた民間資格です。

高齢者の心理や身体的な老化、栄養素、誤嚥防止などの専門的知識を総合的に学び、介護食レシピを実践する技術が身に付きます。

心理学、栄養学、医学など幅広い観点から介護食を捉え、福祉の現場で得た知識を活かしていきたい人におすすめです。

<基本情報>

合格者に付与する称号受験資格履修内容資格取得方法
介護食アドバイザー協会指定の認定教育機関で全カリキュラムを終了した人・高齢者の心理
・栄養学の基礎知識
・介護食の基礎知識
・高齢期の病気と食生活
協会指定の認定教育機関で全カリキュラムを終了後検定試験における得点率が70%以上で取得できる

参考:一般財団法人日本能力開発推進協会「介護食アドバイザー」

介護食コーディネーター

介護食コーディネーターとは一般社団法人日本味育協会が安全で美味しく、満足度の高い介護食を作るために介護食の正しい知識と調理スキルを身に着けた人の育成を目的として設けた民間資格です。

介護食ならではの調理のコツやノウハウを中心に学ぶので、すぐに実践につなげられる技術が身につくでしょう。

日々の介護食作りに悩みを抱えていて、専門的知識を活かしてその悩みを解決したいと考えている人におすすめです。

<基本情報>

資格名称受講資格資格取得方法
介護食コーディネーター特になし受講期間内(6ヶ月)に全課題を提出し資格試験に合格すると取得できる

参考:ユーキャン「介護食コーディネーター講座」
参考:一般社団法人日本味育協会公式ホームページ

介護食コンサルタント

介護食コンサルタントとは、一般社団法人日本能力教育推進協会が介護食の知識を基本から学び、実践方法や介護をするにあたっての食の重要性など、正しい知識を身に着けた介護食のプロを養成するのを目的に設けた資格です。

高齢者の運動機能や消化器系の働き、食と五感の関係、栄養学や体調に合わせた食事の調理法・取り方、安全な食材の見分け方など介護食を作るにあたってすぐに役立つ知識を学ぶことができます。

介護食について初心者で、基礎から知識を身に着けることで実践につなげていきたい人におすすめです。

<基本情報>

資格名称受験資格試験
介護食コンサルタント一般社団法人日本能力教育推進協会の認定機関が行う講座において認定機関が指定した方法で受験を申し込んだ人Web試験を受験しその場で合否を決定

参考:一般社団法人日本能力教育推進協会「介護食コンサルタント」

介護食マイスター

介護食マイスターとは日本安全食料料理協会が介護食についての基本的な知識を身に着けた人の育成を目的に設けた民間資格です。

介護食についての知識はもちろんですが、福祉の現場で働くのに必要な食育、経管栄養、流動食、食事介助などについても学ぶことができます。

幅広い知識を身に着けることを通して、自分がどのように介護食に携わることができるのかを含めて考えていきたい人におすすめです。

資格名称受験資格合格基準
介護食マイスター特になし70%以上の評価

参考:日本安全食料料理協会「介護食マイスター資格認定試験」

介護食作りインストラクター

介護食作りインストラクターとは日本インストラクター技術協会が介護食の役割や介護食の役割について理解し、専門知識を活かした講師活動ができる人の養成を目的として設けた民間資格です。

介護食についての基本的な知識だけではなく、きざみ食、ゼリー食、ミキサー食など高齢者の嚥下能力に適したレシピ、魚、肉、野菜、卵などを中心にしたたんぱく質の取れるレシピ、介護食におけるデザートレシピなど、いろいろな種類のレシピも身に着けることができるでしょう。

今後介護食作りのアイデアを活かして、講師活動をしていきたい人におすすめです。

参考:日本インストラクター技術協会「介護食作りインストラクター」

宅配クック123のお弁当は管理栄養士が献立を作成しています

宅配クック123のお弁当は、全て管理栄養士が献立を作成しています。

具体的には、次のようなことを行っているのです。

  • 栄養のバランスを考えた献立を作成し、おかずとごはんを合わせて1食500kcal前後、食塩相当量3.0g未満になるよう調整する
  • 安心・安全な食材で献立を作成する
  • 食べ残しのない分量に調整を行う
  • 肉・魚・卵・豆製品・野菜・芋・海藻など、偏りなく主菜・副菜を組み合わせ、彩りに配慮する
  • 高齢者における味覚低下を考慮しつつ、必要以上の薄味にならないように出汁を効かせる
  • 箸で崩せる程度のやわらかさを基本とするがかむ力の低下防止のため、料理によっては食感を残す
  • 大きさは一口サイズを基準とし繊維の多い食材は切り方に注意して、噛み切りにくい食材でも飲み込みやすくする
  • 献立には旬の食材をなるべく用い食材本来の味を損ねる調味料や食品添加物を極力使用しない
  • ご家庭での食事に近づけるためごはんとおかずを別の容器に盛り付ける

宅配クック123は介護食をお届けするプロとして、有資格者の持つ専門知識を最大限活用しながら毎日安心・安全なお弁当をお届けしていきます。

宅配クック123資料請求ページ

参考:宅配クック123「宅配クック123の想い」

まとめ

2022年現在、福祉の現場で活かせる介護食の資格は次の7つです。

  • 管理栄養士
  • 介護食士
  • 介護食アドバイザー
  • 介護食コーディネーター
  • 介護食コンサルタント
  • 介護食マイスター
  • 介護食作りインストラクター

同じ介護食作りにおける資格とはいってもそれぞれの資格は取得後できることや、活かせる現場に少しずつ違いがあるため、自分の適性や資格を仕事にどのように活かしたいかを含めてよく考えてから取得する資格を選ぶのが望ましいでしょう。

この記事も参考にして、ぜひ介護食の資格を取得し専門知識を活かして高齢者の日々の食事をサポートしていってください。