朝食は、一日の活力源ともいわれるほど、大切なものです。毎日、朝食を食べることで、脳や体の目覚めにつながります。朝食を食べると、脳にブドウ糖がエネルギーとして補給され、頭がスッキリし、午前中から集中力が向上するなど、さまざまなメリットがあります。そこで今回は、高齢者が朝食を食べるメリットを、「栄養3・3運動」を交えながら解説します。

ところで栄養3・3運動とは?

栄養3・3運動」は、厚生労働省が推進している取り組みで、健やかな毎日のために、基本的な食生活のあり方をわかりやすく示したものです。「3・3」は「3食・3色」を表し、「毎日朝・昼・夕の3食」と、「毎食、3色の食品群がそろった食事」のことを意味しています。

3色食品群とは?

耳慣れない言葉ですが、「3色食品群」とはなにを意味するのでしょうか。これは、食品を栄養素の働きで、3つに分類したものです。

  • 赤色の食品:肉、魚、卵、大豆、牛乳など「血や肉を作る食品」
  • 黄色の食品:ご飯、パン、芋、砂糖、油など「働く力になる食品」
  • 緑色の食品:野菜や海藻、果物など「体の調子を整える食品」

出典:食生活のあり方を簡単に示した栄養3・3運動|e-ヘルスネット

朝・昼・夕の毎食、それぞれの3色から選んで食べることで、自然に栄養バランスも取れるようになります。

朝・昼・夕の3回食べるのはなぜ大切?

「栄養3・3」運動では、朝・昼・夕の「3食」しっかり食べることを推進しています。ではなぜ、一日3回食べる必要があるのでしょうか。そこで、朝・昼・夕の3回食べるのが大切な理由を、3つお伝えします。

体内リズムと生活リズムを保つ

人の体には「体内時計」が備わっています。体内時計は、一日の「体内リズム」(体温・睡眠・血圧やホルモン調節など)を保つために大切です。朝食を摂ることで、体温が上昇し、体の代謝がよくなり、血の巡りもスムーズになります。

反対に、朝食を抜いたり、遅い時間に夕食を食べたりすると、「生活リズム」が乱れてきます。体内リズムと生活リズムのズレが生じると、寝つきが悪くなったり、ストレスを感じやすくなったりします。

中性脂肪の増加を防ぐ

朝食を欠食すると、体はほかの時間帯でエネルギー補給するようになります。昼・夕食でのドカ食い、おやつの間食や夜食で、かえって食べる量が多くなり、肥満や高脂血症など病気の原因になります。

血糖値をコントロールする

朝食などを一食抜いた場合、体内で栄養分が脂肪になりやすく、肥満の原因になります。たとえば、朝食を抜いた場合、次の食事までの時間が空きます。長時間空腹なままで昼食を食べると、血糖値が急激に上昇し、インスリンが過剰に分泌されます。このほか、食事を抜くと、疲れやすさや集中力の低下などが出る場合もあるでしょう。

高齢者が朝食を食べるメリット

朝食を食べることで、睡眠の質が向上したり、脳の働きがよくなったります。脳にエネルギーが補給されると、頭がさえて、認知症の予防にもつながるでしょう。このほか、高齢者が朝食を食べるメリットには、次の4つがあります。

低栄養やフレイルを防ぐ

朝食を毎日食べることで、筋力低下を防ぎ、フレイル対策になります。たんぱく質をはじめとした栄養素は、体の筋肉をつくるために重要です。一日2食しか食べない場合、さまざまな栄養素が不足しやすくなります。朝食を食べることで、一日に必要な食品を、栄養バランスよく摂取できます。

生活習慣病予防につながる

朝食は、血圧や血糖値の安定、欠食による体内への脂質の蓄積を防ぎます。また、朝食を食べることで、体温が上昇し、免疫力の低下を防ぎ、生活習慣病の予防につながります。

便秘予防

朝食を食べることで、大腸の動きが活発になり、便通がよくなります。一日3食きちんと食べることで、体の代謝が向上します。体内リズムや生活リズムが整い、便秘予防にもなるでしょう。

心の安定

「朝・昼・夕」の食生活を習慣にし、生活リズムが整うと、睡眠の質が向上したり、メンタルが安定したりするというデータもあります。朝食を食べないと、イライラしやすくなったり、ストレスを感じやすくなったりします。

高齢者が朝食を抜くとどうなる?

朝食の欠食は、一日の活動量に影響がでるため、注意が必要です。高齢者が朝食を抜いた場合、昼食や夕食を抜いた場合と比べ、さまざまな不調を感じやすくなります。では、高齢者が朝食を抜くと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

栄養バランスが乱れる

朝食を抜くことで、本来摂れるはずの栄養素が不足し、体調にも影響がでてきます。高齢者は、栄養素が不足すると、低血糖や筋力低下にもなりやすく、注意が必要です。3食摂取した人のほうが、欠食した人に比べ、多くの栄養素を摂取しているとの研究結果もあります。

フレイルやサルコペニアのリスクが増える

欠食して一日2食になると、一日に必要なたんぱく質量や多くの栄養素が不足し、低栄養のリスクが高まります。低栄養状態が続くと、頭がぼんやりし、やる気も低下してきます。日常生活での活動量が減り、サルコペニアフレイルに移行するおそれもあるでしょう。食事を3食きちんと摂る習慣は、体を動かす筋力や、気力にも影響があるのです。

生活習慣病のリスクが増える

朝食を抜くと、体温が低いままの状態が続き、免疫力も下がります。脳や体のエネルギーが不足し、体内の血糖値コントロールが乱れるなど、体調面でも影響が出始めます。風邪や感染症になりやすくなるほか、肥満・高血圧・高脂血症・虚血性心疾患・脳卒中や、一部のがん(大腸がん、乳がん、胃がん)・糖尿病・骨粗鬆症などのリスクが高まり、注意が必要です。

まとめ

朝食は、一日の活力源になるだけではなく、心の健康にも影響があります。「毎日 朝・昼・夕」の3食をきちんと摂れば、栄養バランスも整ってくるでしょう。とはいえ、毎日買い物にいったり、いろいろな種類の料理を作ったりするのは難しいと感じるかたも多いのではないでしょうか。時には宅配弁当などを利用し、「栄養3・3運動」を続けていきましょう。

「宅配クック123」では、「普通食」のほか、「たんぱく質・塩分制限食」や「カロリー・塩分制限食」をはじめ、「やわらか食」など、お客様の健康状態に合わせた宅配弁当をご用意しております。家事の息抜きや、離れて暮らすご両親への贈りものとしてもご活用いただけます。一日1回・1食のご注文からご利用になれますので、お気軽にお問い合わせください。

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