高齢者がスマホを慣れた手つきで操作するのを最近よく見かけるので、自分の家族にも連絡手段として持ってもらいたいと考えているけれど、使いこなせるのか心配だと悩んでいる人はいませんか?
この記事では高齢者におけるスマホの普及率から選び方まで詳しく解説します。
高齢者におけるスマホの普及率とは?
2021年に総務省が発表した「令和3年版情報通信白書」によると60才以上におけるスマホの利用率は81.0%となっています。
これは20才~29才における95.0%、30才~39才における94.5%と比較すると低い数字ではありますが、高齢者はスマホを使うことにそれほど抵抗がない人が多いと言えるでしょう。
またスマホによるインターネット利用率は全世代で68.3%ですが、高齢者はインターネットでどのようなサービスを利用しているのでしょうか。
表にまとめてみました。
インターネットサービスの種類 | 60才以上 | 20~29才 |
インターネットショッピング | 78.0% | 69.5% |
オークション・フリマ | 17.5% | 40.0% |
支払い・決済(クレジットカード・デビットカード) | 67.5% | 70.0% |
支払い・決済(QRコード) | 34.5% | 61.0% |
音楽配信 | 20.0% | 43.5% |
動画配信 | 39.5% | 70.5% |
ソーシャルメディアサービス | 28.5% | 71.5% |
メッセージサービス(LINEなど) | 34.0% | 64.5% |
公的サービス | 26.5% | 19.5% |
60才以上でよく利用されているインターネットサービスはインターネットショッピング、支払い・決済(クレジットカード・デビットカード)・動画配信の順で多く、高齢者がスマホで買い物を楽しんでいるのがうかがえます。
また20代のスマホの使い方と比較してみると、最も多く差がついたのがソーシャルメディアサービスのため、若い世代と異なりスマホを使ったSNSでのコミュニケーションはあまり高齢者には浸透していないと言えるでしょう。
高齢者がスマホを持つメリット
高齢者がスマホを持つと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
QOLが向上する
高齢者がスマホを持つと、QOL(生活の質)が大きく向上するのですが、その内容は多岐に渡るため一部をご紹介します。
- 家族や身近な人とのコミュニケーションが取りやすくなる
- デジカメでの画像撮影、動画の撮影、ブログ投稿といった新たな趣味を見つけられる
- 楽しみ、喜び、刺激、安心感などを得られる
- スマホを利用することにより脳が活性化するため健康の維持につながる
- 新しい人間関係やコミュニティに参加できる
- 意欲が高まる
- 生活への満足度が向上する
高齢者がよりその人らしく生き生きとした生活を楽しむために、スマホは大いに役立つと言えるでしょう。
家族と円滑にコミュニケーションができる
「令和3年版情報通信白書」の結果にもあったように若い世代はスマホを使いこなしているため、高齢者にとっては子供や孫とのコミュニケーションの機会が増えることになります。
連絡をする回数が増えることは、高齢者と高齢者以外の家族双方に安心感をもたらすでしょう。
家族の介護負荷が軽減する
介護度の高い高齢者ほど、遠隔地に住む家族とのコミュニケーションは難しくなっていきますが、スマホを持つことでメッセージやビデオ通話を用いて現状報告をしたり、連絡を取り合うことで介護を担っている家族の心理的負担を軽減したりできます。
直接足を運ばなくてもスマホを使って積極的にコミュニケーションを図ることで、家族としての関係が良好に維持でき、介護に関する情報共有もできるため、結果的に家族全体の介護負荷が軽減するでしょう。
高齢者に合ったスマホの選び方
高齢者がスマホを持ちたいと思った際は、どのようなことに気を付けて選ぶのがよいのでしょうか。
必ずお店に足を運び、実際に操作感を確かめてから購入するという前提で3つご紹介します。
操作が難しくないスマホを選ぶ
高齢者のスマホの選び方として重要なのが、操作が難しくない機種を選ぶということです。
docomo、au、ソフトバンクなどの大手キャリアでは高齢者向けのスマホを発売しているので、それぞれご紹介します。
docomo
docomoでは誰にでも使いやすい製品やサービスを提供するため、「ハーティスタイル」という取り組みを行っています。
主な取り組みを表にまとめてみました。
取り組みの種類 | 内容 |
製品 | ・ユニバーサルデザインを意識した製品の提供 |
お客様窓口 | ・ドコモ・ハーティプラザにおけるユニバーサルデザインの考え方に基づいた設備と応対(手話対応、送迎サポート、ゆっくり相談カウンター、床の段差解消、だれでもトイレ、音声ガイド、3Dフォトなど) |
テレビ電話による応対サポート | ・2022年7月現在、テレビ電話による手話サポートを全国のドコモショップ654店舗で展開 |
バリアフリー対応 | ・段差なし、スロープありの店舗、障がい者用駐車スペースのある店舗、車いすの入れるトイレがある店舗など |
みえる電話 | ・通話相手の言葉をリアルタイムで文字に変換し、スマートフォン画面に表示するサービス |
聴覚障がい者支援アプリ「こえとら」 | ・聴覚障がい者が手話を使うことができない健聴者との間で、文字と音声を互いに変換し合うことで円滑なコミュニケーションができるよう支援するアプリ |
高齢者がスマホを購入する前の段階から来店しやすい環境を整え、購入後もニーズに応じて細やかなサポートを行っていることがうかがえます。
2022年7月現在、高齢者も使いやすいユニバーサルデザインのスマホとして販売されているのは次の3機種です。
- らくらくスマートフォンF-52B
- あんしんスマホKY-51B
- らくらくスマートフォンF-42A
どの機種も文字が見やすく、操作しやすい工夫が施されていますが、詳細を知りたい人はdocomoのホームページから確認してみてください。
参考:docomo「ドコモらくらくホン・あんしんスマホ」
参考:docomo「ハーティスタイル」
au
auでは高齢者向けのスマホとして、「シンプル」というシリーズを発売しています。
お店で説明を受けて使いこなすことができればよいのですが、不安を抱えている人のためには「auスマートサポート」という会員制有料サポートサービスが設けられています。
これは加入月\3,300、4ヵ月目以降\418を月々支払うことによって次のようなサポートが受けられるサービスです。
- 無料でスマホを15日間お試しレンタルできるサービス
- 電話サポートサービス
- スマホ訪問サポートサービス
- データ復旧サービス20%off
- 使い方ガイド本のプレゼント
お店で操作感を確かめるだけでは使いこなせるかどうかわからない人も、このサービスを使ってスマホをレンタルしたり、訪問サポートを受けたりすれば自分自身の理解度を確かめながら徐々にスマホに慣れることができるのではないでしょうか。
2022年7月現在、高齢者も使いやすいシンプルシリーズのスマホとして発売されているのは次の2つです。
- Galaxy A21シンプル
- BASIO4
詳細を知りたい人は、auのホームページで確認をしてみましょう。
ソフトバンク
ソフトバンクでは高齢者向けのスマホとして「シンプルスマホ」を発売しています。
スマホ画面には「押すだけサポート」が設置されており、タップすると解決方法をその場でスマホに表示してくれるだけではなく、解決しない場合にそのままカスタマーサービスへと電話をすることも可能です。
いったんスマホの画面上でカスタマーサービスに電話する必要があるかどうかも判断できるので、忙しい高齢者も時間を有効に活用できるでしょう。
2022年7月現在、高齢者も使いやすい「シンプルスマホ」として発売されているのは次の機種です。
- シンプルスマホ5
- シンプルスマホ6
シンプルスマホ6では1日の最初にスマホを利用すると登録した相手に自動メールで知らせるサービスもあるので、見守りが必要な場合はこちらを選ぶのもよいでしょう。
参考:ソフトバンク「シンプルスマホ5」
参考:ソフトバンク「シンプルスマホ6」
操作に困った際のサポートが充実しているかどうかで選ぶ
高齢者がスマホを選ぶ際は、操作に困った際のサポートが充実しているかどうかで選ぶことも大切です。
スマホ画面でのサポート、電話でのサポート、訪問サポートなど携帯キャリア別に方法が異なるので、高齢者本人がどのような形でのサポートを望んでいるかを確認して決めるのがよいでしょう。
料金体系がわかりやすいスマホを選ぶ
スマホを利用するためには端末の料金だけではなく通話料金、データ通信料などがかかります。
高齢者本人が納得して料金を支払うためにも、料金プランが明確なスマホを選ぶようにしましょう。
高齢者がスマホを使う際の注意点
高齢者がスマホを使う際に注意したいことを3つご紹介します。
歩きスマホをしない
2016年2月、東北大学大学院医学系研究科より、高齢者の場合歩きスマホ中に前頭部が活発化してもスマホ操作と歩行はどちらもうまく行えないことがわかったと発表されました。
高齢者による歩きスマホの危険性が学術的に証明されているということなので、歩きスマホを行うのは控えましょう。
個人情報を適切に保護する
前述の通り60才以上でインターネットショッピングをする人は78.0%に上りますが、IDやパスワードを使い回しすることで個人情報が流出してしまう恐れがあります。
このようなことを避けるためにも、パスワードは複数作り、メモなどにして保管しておくのが望ましいでしょう。
詐欺や悪徳商法に注意する
ワンクリック詐欺やフィッシングメールなどインターネットを使った詐欺の方法は年々巧妙となってきています。
身に覚えのないメールや不審な広告を見ないよう、十分に注意することが必要です。
宅配クック123へのお問い合わせはスマホから簡単に行えます
宅配クック123では、高齢者の方がスマホから簡単に問い合わせができるよう、ホームページの画面に工夫を凝らしています。
スマホの画面で見ると、ホームページの右上にはメールと電話の絵があるため、そこをタップするだけですぐに資料請求や電話での問い合わせができるようになっているのです。
スマホを使ったコミュニケーションを楽しむためにも健康な身体作りを心がけたい方は、ぜひ一度この画面から問い合わせをしてみてください。
まとめ
2021年に高齢者におけるスマホ利用率は8割を超え、インターネットショッピングなどをそれなりに楽しんでいることが多いですが、操作が難しくなくサポートが充実していることが長くスマホを利用する上では大切だと言えるでしょう。
この記事も参考にして、ぜひスマホを通した新しい世界への扉を開いてみてください。