かむ力や飲み込む力が衰えてきた家族がいるので、そろそろ美味しい介護食を作りたいと考えているけれど、何か参考になるようなことはないかと探している人はいませんか?

この記事では介護食の作り方からおすすめ食材まで詳しく解説します。

介護食について知っておきたいこと

介護食の作り方やおすすめ食材を知る前に、まずは介護食についての基礎知識を学ぶのもよい取り組みだと言えるでしょう。

介護食について知っておいてほしいことを2つご紹介します。

介護食の資格

介護食についての知識を深めるためには資格を取得するのが望ましいと言えますが、おすすめの資格を7つご紹介します。

資格の名前概要
管理栄養士・厚生労働大臣の免許を受けた国家資格
・高齢者で通常食の摂取が難しくなっている人だけではなく、病気の人、健康な人など一人一人に合わせた食事の栄養指導、給食管理、栄養管理などを行うことができる
介護食士・内閣総理大臣認定・公益社団法人全国調理職業訓練協会が、介護に携わる人たちの調理技術を向上させる目的で設けた民間資格
・要介護者向けの食事が提供できるようになることを目指し、介護食についての知識と料理技術を両方向上させることができる
介護食アドバイザー・一般社団法人日本能力開発推進協会が高齢者の心理、病気、栄養学において正しい食の基礎知識を持つ介護食のスペシャリストを育成するのを目的として設けた民間資格
・高齢者の心理や身体的な老化、栄養素、誤嚥防止などの専門的知識を総合的に学び、介護食レシピを実践する技術が身に付く
介護食コーディネーター・一般社団法人日本味育協会が安全で美味しく、満足度の高い介護食を作るために介護食の正しい知識と調理スキルを身に着けた人の育成を目的として設けた民間資格
・調理のコツやノウハウを中心に学ぶので、すぐに実践につなげられる技術が身につく
介護食コンサルタント・一般社団法人日本能力教育推進協会が介護食の知識を基本から学び、実践方法や介護をするにあたっての食の重要性など、正しい知識を身に着けた介護食のプロを養成するのを目的に設けた資格
・高齢者の運動機能や消化器系の働き、安全な食材の見分け方など介護食を作るにあたってすぐに役立つ知識を学ぶことができる
介護食マイスター・日本安全食料料理協会が介護食についての基本的な知識を身に着けた人の育成を目的に設けた民間資格
・介護食についてだけではなく福祉の現場で働くのに必要な食育、経管栄養、流動食、食事介助などについても学ぶことができる
介護食作りインストラクター・日本インストラクター技術協会が介護食の役割について理解し、専門知識を活かした講師活動ができる人の養成を目的として設けた民間資格
・介護食についての基本的な知識だけではなく、いろいろな種類のレシピも身に着けることができる

各資格の取得方法や試験の内容についても知りたい方は、次の記事もごらんください。

配食サービスと市販の介護食品との違い

配食サービスは調理済みで定食型の食事を届け、必要があればカロリー、タンパク質、食塩量なども調整できるサービスのことで、市販の介護食品とは栄養補給が必要だったり、嚥下や咀嚼が困難だったりする高齢者の方向けの食品のことを指します。

配食サービスを利用するメリットは次の5つです。

  • 栄養バランスが乱れにくい
  • 食事を作る手間がかからない
  • 依頼する業者によっては安否確認もしてもらえる
  • フードロスの軽減につながる
  • 自宅では作りにくいメニューも提供できる

配食サービスについての詳細や市販の介護食品を利用するメリットも知りたい人は、次の記事もごらんください。

介護食の作り方

介護食の作り方には、どのような種類があるのでしょうか。

5つご紹介します。

刻み食

刻み食とは食材を5mm~1cm程度に刻んで食べやすくした食形態で、飲み込む力は十分でも噛むことが難しい人向けに提供される介護食です。

刻み食を導入するメリットは次の3つです。

  • 食材の風味が感じられる
  • 噛む力が弱くても食べられる
  • 個人の状態に合わせて食材の大きさを調整できる

刻み食の作り方のポイントや、おすすめレシピについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

ムース食

ムース食とは介護食の1つで、通常食を細かくすりつぶした後とろみ剤などを混ぜ、型などを使用して料理の形に成型した食事のことで、ソフト食とも呼ばれ宅配や市販の介護食品などに広く取り入れられています。

ムース食のメリットは次の5つです。

  • 料理の見た目が美しい
  • 料理の香りを楽しめる
  • 咀嚼しやすく誤嚥防止になる
  • 箸を使って食べることができる
  • 素材の味を感じることができる

ムース食の詳細や宅配サービスについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

減塩食

減塩食とは、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準 2020年度版」において定めた食塩摂取量の目標値である1日あたり6.0gという基準に基づき、この数値以下の食塩摂取量を目指す食事のことです。

塩分が多い食品には梅干し、塩辛、佃煮、ぬか漬け、明太子、しらす干しなど高齢者の方が親しんできた食材が含まれています。

一方塩分が少ない食品にはところてん、ぶり、鶏肉、もずく、ゆでたまご、しじみなどがあるためこれらを積極的にメニューに取り入れるのがおすすめです。

美味しく減塩するコツについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2020年度版」

透析食

透析食とは長期に渡る透析療法において合併症を予防するのを目的として行われる食事療法です。

透析食における具体的な基準は、2014年に日本腎臓学会が提唱した「慢性腎臓病に対する食事療法基準」によって次の表のように定められています。

項目血液透析の場合(1日あたり)腹膜透析の場合(1日あたり)
エネルギー(体重1kgあたり)30~35Kcal(体重1kgあたり)30~35Kcal
たんぱく質(体重1kgあたり)0.9g~1.2g(体重1kgあたり)0.9g~1.2g
食塩6g未満PD 除水量(L)×7.5 +尿量(L)×5
水分できるだけ少なくPD 除水量 +尿量
カリウム2000mg以下制限なし
リンたんぱく質(g)×15以下たんぱく質(g) ×15以下

透析食による食事管理のポイントについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

参考:日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年度版」

行事食

行事食とは季節ごとの年中行事やお祝いの日に食べる料理のことを指し、旬の食材を用いるのを特徴とし、家族の健康や幸せを願うという意味が込められています。

介護食に行事食を取り入れる目的は次の3つです。

  • 高齢者に季節感を感じてもらう
  • 生活の質(QOL)を向上させる
  • 食欲を増進させる

年間のおすすめ行事食メニューと旬の食材についても知りたい方は、次の記事もごらんください。

介護食におすすめの食材

介護食におすすめの食材には、どのようなものがあるのでしょうか。

2つご紹介します。

牛肉

介護食におすすめの食材の1つに牛肉がありますが、牛肉を介護食に取り入れるメリットは次の3つです。

  • タンパク質が含まれているためフレイルのリスクを下げることができる
  • ビタミンB6が含まれているためうつ病の予防になる
  • 行事食から普段のおかずまでレシピが豊富にある

介護食として牛肉を用いる際の工夫やおすすめレシピについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

さつまいも

介護食にはさつまいももおすすめですが、さつまいもが介護食として人気の理由は次の3つです。

  • 食物繊維、カリウム、ビタミンCを豊富に含み栄養価が高い
  • おかずからおやつまでアレンジレシピが豊富にある
  • 噛む力や飲み込む力が弱くなっても食べられる

介護食として便利なさつまいもペーストの作り方や、さつまいもペーストを使ったおすすめアレンジレシピについても知りたい方は、次の記事もごらんください。

宅配クック123では「ただ美味しいだけではない」介護食をお届けしています

宅配クック123では日々の栄養の偏りや食事を抜くことが生活習慣病の原因になると考えているため、ただ美味しいだけではない介護食をお届けしています。

管理栄養士が毎食の栄養バランスを考え、ごはん(170g)を含むエネルギー量を500kcal前後、食塩相当量3.0g未満に設定しているだけではなく、軽い容器でお届けすることで食べることへのおっくうさを軽減したり、旬の食材を取り入れることで生活の質(QOL)を向上させたりとさまざまな工夫を凝らし、食べる楽しさを感じてもらえるようにしているのです。

また介護食作りに疲れてしまったご家族の負担軽減にも役立てるよう、1日1回、1食からの利用も受付しています。

宅配クック123の介護食で、家族全員が楽しめる食事時間を過ごしてみませんか。

宅配クック123資料請求ページ

まとめ

介護食の作り方には刻み食、ムース食など高齢者の噛む力や飲み込む力に合わせてさまざまな形があり、旬の食材を用いて作ることで、生活の質(QOL)を高めることもできます。

この記事も参考にして、ぜひ介護食についての理解を深めてみてください。